インターネットで車の査定について調べていると売買契約後に査定額の減額請求をされトラブルになったというケースをよく目にします。
Q&Aサイトなどでもこのトラブルに遭ってしまった方々の相談・質問を多く見かけました。
車の売却を検討している方もネットで査定について調べていると、このような記事をみかけた事があるのではないでしょうか。
「もし自分も契約後に減額されたらどうしよう。。」
「もし減額された場合はどうすればいいんだろう」
「減額を回避できる方法はないのかな」
と不安や疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
このページでは、どのような場合に減額されてしまうのか、なぜ減額されてしまうのか、減額は法律上問題ないのかなど、減額されないように回避策や対処法も含めてご紹介します。
目次
車買取査定で契約後に減額されてしまうことはあるのか?
買取額も決まり契約後に減額されてしまうことなんてあるのか?
実は車の査定で多いトラブルの一つなんです。
売買契約後に減額されてしまうことを再査定(または二重査定)と呼んでいます。
売買契約後に突然業者から「重大な不具合が見つかったから減額します」と実際に契約後に減額請求をされてしまうケースがあります。
「これから車の査定をしてもらう予定だけど自分もあとから減額されないか不安」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、減額されてしまう原因や対策を事前に知っておけばそこまで不安になる事ではないので安心してください。
ではなぜ、契約後に減額されるという事が起こってしまうのでしょうか。
それは査定を行った後(車を引き渡した後)に何かしらの不具合が見つかる事で減額となってしまいます。
一番多いパターンでは査定時に見抜けなかった不具合をオークションに出した際に他社の査定士が発見するといったパターンです。
査定は30分程度で終わりますし、実際に車を動かす訳ではありませんので、走行機関の不具合に気付けない場合があります。
「そんなの見抜けなかった方が悪い」と思うかもしれませんが、少ない確率ではありますが見落として仕舞う場合があります。
しかし査定業者の中には「見抜けなかった私たちの責任です」と査定後の減額を禁止してる業者や、ガリバーの「クレームガード保証」のような「後々不具合が見つかっても減額(賠償)請求しませんよ」というサービスもあります。
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売買契約後に減額って違法ではないの?
売買契約をした後に減額となると契約を無視している事になるので違法なのでは?と思いますよね。
しかし、主に家や車の売買では契約から1年間は「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」が伴います。
「瑕疵(かし)」とは欠点や欠陥のことを指しており、それを担保しなければならない責任があるという事です。
簡単に説明しますと、売買契約が行われる際、簡単に発見できない不具合があとになって見つかった場合に、買い主(この場合は買取業者)が売り主(あなた)に損害賠償請求が出来る仕組みで民法570条、566条に定められています。
詳しくはwikipediaをご覧ください。
ただし、瑕疵担保責任が適用されるのは「隠れた瑕疵」があった場合です。
隠れた瑕疵とは簡単に説明しますと「不具合や欠陥がある事を知っていてそれを隠して売った」場合です。
誰でも車を売るなら少しでも高く買い取ってほしいですよね。
だからといって不具合を隠してまで高くしようとするのはダメですよという事です。
つまり、査定時に自分が知っている不具合や不調な箇所などを伝えておけば、売買契約後に減額されるといった事がおこりにくくなります。
※査定時には不具合や不調箇所を買取業者に伝えなければならない義務がありますので必ず伝えるようにしましょう。
減額になるよくあるケース
それではどういった場合に再査定で減額をされてしまうのでしょうか。
よくあるケースをご紹介します。
実は事故車(修復歴車)だった
上記でも説明したように、あなたの所有している車が修復歴車だと分かっていて隠した場合はもちろん減額になりますが、修復歴車と知らずに所有していて実は修復歴車だったなんて事も。
それは以前のオーナーが修復歴を隠して中古車店に売り、中古車店もそれに気付かず販売をしてしまい、それをあなたが購入してしまったケースです。実際には多くありませんがこんなケースも稀にあるようです。
この場合、残念ながらあなたに瑕疵担保責任がありますが、もし購入から1年以内であれば販売店へ瑕疵担保責任を問う事ができます。
回避策
売買契約所に瑕疵担保責任についての記載があるかと思いますので、査定時に瑕疵担保責任で後から減額されるような事がない確認するようにしましょう。(契約書を全て読むのは大変かと思いますので書いてある前提で話をしてみてもいいでしょう)
もし可能であれば瑕疵担保責任については破棄してもらうか、「あとから不具合が見つかっても一切減額はしない」旨を一筆書いてもらうとよいでしょう。交渉する価値はあるはずです。
メーターの改ざんがあった
走行距離が多いと車の価格が下がる事がほとんどですので、メーターを改ざん(巻き戻し)をし走行距離を実際よりも少なく表示させ価格をアップさせる手口です。
これはもちろん詐欺行為ですし、最近は減っているようですが、少なからずあるようです。
こちらも上記の修復歴車と同じように、あなたの知らないところで起きていたなんて事もあり得ます。
回避策
少し面倒くさいのですが、メーターの改ざんがないか調べる方法があります。
走行メーター管理システムという、オークションに出品された車の走行距離を管理しているシステムがあり、日本自動車査定協会か日本中古自動車販売協会連合会に走行距離のチェックを依頼します。
実際に車を持ち込む必要があり料金も1,500円かかってしまいますが、不安がある場合は売買契約後の発覚を防ぐ為にも利用してみるのも一つの手段ではないかと思います。
詳しくは自動車公正取引協議会のサイトをご参照ください。
走行性能に関わる重大な不具合が見つかった
走行性能に関わる機関はエンジンや足回り、ミッション(駆動系)などを指します。
例えば、エンジンのピストンの1つがダメになっていた場合やシャフトが曲がっていた、オートマチックミッションのギアがスムーズに切り替わらない等です。
走行機関に不具合があれば車の性能を著しく以下させるだけではなく、事故にも繋がりかねないので査定額は大幅に下がります。
対処法
走行機関に不具合があれば乗っていて「なんかおかしいな」と気になる場合がほとんどですが、頻繁に車に乗らない方や、乗っても近所のスーパーやコンビニまでといった方は気付けない場合もあるかもしれません。
しかし、走行機関に不具合があればなにかしらの兆候がありますので、査定前におかしそうなところがないか気にしながら乗ってみるといいでしょう。
そして少しでもおかしいなと思った事や気になった事があれば査定時に正直に伝えるようにしてください。
減額の連絡がきたら応じなければならないのか?
上記でご紹介した事故車だった場合や故障などを隠してしまっていた場合は減額に応じるしかありません。
しかし査定時に目で見てわかる事項(ボディの凹みなど)の場合は過失は買取店にあるので応じる必要はありません。
また、もし契約書に減額がある旨が記載されていたら応じなければならないケースがでてきますので、契約書にサインするときに減額に関しての記載がないか確認するか、その場で買取業者に聞いてみましょう。
減額のトラブルに遭ってしまった場合の対処法
減額の連絡がきたら、その理由をはっきり教えてもらいましょう。
なかには適当な理由をつけて減額してこようとする買取業者もいるので注意が必要です。
その理由が曖昧だったり適当な内容であれば減額に応じる必要はありません。
上記でご説明した瑕疵担保責任に該当しない場合は、買取店に落ち度がある場合がほとんどですので、査定時には必ず事故歴や故障がある箇所は伝えてきましょう。
それでも解決しなさそうであれば契約をキャンセルしてしまうのもありです。
減額のトラブルがなかなか解決しないようであれば国民生活センターに相談してみましょう。
故意に不具合を隠していない限り減額の対象にはならないので強気な態度でいるべきです。
不当に減額を請求してくる悪徳業者もある
なかには査定の段階で他社より高額な査定額を提示して買い取り、後から減額をするといった手口の悪徳業者もいるようです。
もちろん再査定をされたからといってその業者が悪徳業者という訳ではありませんが、最初から再査定で減額をするつもりで査定額を提示し買い取る業者も少なからずいます。
まとめ
今回ご紹介したように実際に査定の売買契約後に減額されてしまうケースがあるようです。
そのような事態を避ける為には、査定時に車の不具合や不調などを必ず査定業者に伝える事が大切です。
瑕疵担保責任が発生しない場合(故意に不具合を隠していない場合)は減額に応じる必要がないことがほとんどです。
万が一、売買契約後に減額されそうになってしまい自分では対処しきれない事態になってしまった場合は国民生活センターに相談をするようにしてください。